2009年11月09日

VUメーター

VU(Volume Unit)メーターという音量メーターがあります。
普段よく目にするピークレベルメーターと違い、VUメーターは反応するまでの時間が遅く、その反応の仕方が人の聴覚に近い為、感覚的な音量調整に適していると言われています。
例えば、プチッというノイズ。ピークレベルメーターは瞬間的にそのレベルを表示しますが、VUメーターは反応しません。

私がビデオ編集を始めた頃、このVUメーターの意義を知らず、ピークレベルメーターだけで音量調節をしようとしていたので、とても苦労しました。
ピークレベルメーターだけを見ていると、その動きの速さゆえ、全体的なレベルを把握できないのです。
今は、このVUメーターを使用しています。

vumeter.JPG

このVUメーターを使い始めた頃、メーターの動きに対して、実際の音がどのように聞こえるのかを確認するため、多くのテレビ番組の音声をメーターと睨めっこしながら聞きました。
ただ、そのテレビ番組の音声の聞き方にも大事な点があります。
それは、基準を合わせるという事。基準が合っていなくては、針の動きもその都度異なってしまい意味がありません。
そこでその基準となるのが、1kHz(キロヘルツ)基準音。
夜中、テレビ番組の終了後に、カラフルな帯の画面(カラーバー)と共に、ピーーーという信号音を聞いた事はないでしょうか。あれが、1kHz基準音です。
実はあのピー音をVUメーターの0VUに合わせる事で、VUメーターのセッティングができるのです。
(ただ、同じ1kHz基準音でも違う音に聞こえる事があります。アナログ電波だからなのか、何か理由があるのか、すみませんが私の知識では今のところ不明です)

また余談ですが、1kHz基準音には-20dBや-12dB等、幾つレベルが有り、受信しているテレビのそれが何dB(デシベル)なのかを以下のように確認しました。
アンテナを刺した私のデジタルデッキは、DVテープへの録画段階で音声レベルの調節はできません。
つまり、そのデジタルデッキの設計が正しければ、受信しているピー音の信号を正しくデジタイズしてくれるはずです。
他方で、業務用デジタルカメラを使用し、-20dBの基準音を入れたデジタルテープを用意しました。
そしてその二つをVUメーターを繋いだ別の業務用デジタルデッキで再生してみました。
その結果、若干のばらつきはあるものの、レベルは一致し、アンテナで受信したピー音が-20dBである事が確認できました。
(このdB(デシベル)という単位、本来この単位もまた基準がなければ意味のない単位なのですが、それは放送関連機器で一緒のはずという事で割愛します。)

では、VUメーターが実際にどんな動きをするのかご覧頂きましょう。
このムービーには、コンピューターで作成した-20dB基準音入りのカラーバー、上の方法で録画した基準音入りのカラーバー(放送大学終了後の画面)および適当にセレクトした番組が入っています。
また下部にVUメーターを映した画面を合成してあります。
なお、これは編集により組み合わせた映像ですが、全てデジタル工程ですので、その過程で音量の変化は起きていません。



いかがでしょう。受信した基準音が-20dBで、その基準音を0VUに合わせた状態で、針がどのように振れるかご覧頂けたと思います。

では、ここで、以下の画像を見て下さい。

vu.jpg

これは、「日本映画テレビ技術協会」が出版している「映像制作のためのサウンド・レコーディング」にあったVUメーターを使った音レベルの取り方の一例です。
この画像の中で、「バストサイズのせりふ」と書かれている範囲があります。
この範囲と先程の動画のメーターを改めて見比べてみて下さい。
オーバーしている所もありますが、何となく、この範囲の中に収まっているのがお分かり頂けますでしょうか。

こんな感じで、VUメーターの動きを把握しつつ、音の調整をするようになってから、随分と調節が楽になりました。
だいたい同じレベルに収まるように調整していけば、全体として、同じようなレベルになるからです。

ところで、以前の音関連の記事にも書きましたが、さも正しい事のように書いていますが、実は全て我流。
なので、随所に間違いや誤解があるかもしれません。その点に留意してお読みください。
また、もしどなたかMAの正しいやり方をご指南していただける方がいましたら、ご連絡下さい。
いつでもどこへでも伺います。
posted by Konak at 23:40| 映像・コンテンツ制作関連